『 屋台ラーメンおやじ物語〜第二話〜』
今日は、暗いお客さんの話です。
暗い顔した初めてのお客さんが、何も言わずにうなだれて座っています。
「いらっしゃい!ラーメンでいいですか?」
「‥‥。」(お客)
「ラーメンでいいよね。うちはラーメン屋だから。ヨッシャ!」
「ちょっと時間かかるけどいいかな?じっくり味を仕込むのに時間が必要なんだ。遅いからって帰っちゃだめだよ、お客さん専用のラーメンだから。」
「うちのラーメンは不思議なラーメンと言われているんだ。」
大将は、楽しそうに身振り手振りを交えて“世界で一つだけの花”を口ずさみながら、2コーラスを歌いラーメンをゆっくり作りました。
「へい、お待ちぃ!」
「世界で一つだけのラーメン、美味いよ~!」
「食べて8時間過ぎると、不思議さがわかるラーメンの出来上がり!チャーシュー1枚サービスしといたから。」
「どう、美味かったろ。」
「‥‥。」(お客)
「ん? 1000円?」
「はい、おつり400円!」
「今の時間、うちはお客こないんだ。だから、ゆっくり時間かけて専用ラーメンも作れる。明日も待ってるよ!」
「売上に貢献してよ、!きっとだぜ。」
大将は シャイに「ご来店ありがとう」と言います。
さて、その暗い営業マンは…